静岡おでん(しぞーかおでん) 水野菓子店、おがわ、三河屋、大やきいも、たこ八、乃だや、松芳堂、杉乃屋、しなのや、藤の家、海ぼうず、お好み郷土料理三久、天神屋、日本美食学会 おすすめ 人気 グルメ ランキング レビュー 


NIHON BISHOKU GAKKAI




静岡おでん(しぞーかおでん)
名店ランキング&レビュー

美味しいローカルグルメの話 〜日本美食学界的郷土料理大全




静岡おでんを紹介します。

静岡おでんとは、牛スジを煮込んだ黒い汁とイワシなどの削り節と青海苔粉を使用するダシ粉のトッピングが印象的なおでんであります。
その汁はやや甘口のものもあり、また汁は皿に多く盛られないのも特徴です。
具材には魚などの練り製品が多く使われ、中でも黒はんぺんは有名です。
黒はんぺんとは、その名の通り、黒い色のはんぺんで、鰯や鯖などを使用して作ります。白身魚で作る白はんぺんに比べて魚の味が強く出ていることが特徴です。

このような独自のスタイルを持つ静岡おでんは、静岡市を中心に広まっており、お惣菜店や居酒屋はもちろん駄菓子屋(むしろこちらが基本で、地元の方の中には駄菓子屋のおでんこそ静岡おでんだと言う人もいるくらいです)などにも広く普及しています。

価格は1本100円以下ということが多く、リーズナブルであり、郷土の生活感が溢れる料理であります。
B−1グランプリでは過去に3位に入賞したこともあり、またビールのCMでも紹介されたことから全国区の人気を持つようになりました。

それでは富士山グルメと呼ぶには少々離れてはいますが、静岡市にある美味しい静岡おでんの名店を紹介していきましょう。

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蒲菊本店
http://www.kamakiku.com/html/top.htm
蒲菊本店おでんの話
http://www.kamakiku.com/html/oden.html
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思い入れNo.1 最も伝統的なしぞーかおでんのスタイル
水野菓子店


「駄菓子屋系の最高峰。90年間継ぎ足されたおでん汁には静岡の文化と歴史が染み込んでいます。やはり駄菓子屋さんでおでんを食べるという、静岡県ならではのスタイルを初めて味わうというのならこのお店しかありません。お店の方々との距離感や、他のお客さんと共に小さなおでん鍋を囲むスタイルは郷土色抜群! お薦めは夕方頃になってすっかり煮込まれた具材たち。特に黒々と煮込まれて旨みののった白滝は最高です」



汁の甘さ ☆☆☆
汁の酸味 ☆☆☆
汁の濃さ ☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 86.0%OVER!
プチッとメモ アットホーム。おばあちゃんが可愛らしい。それだけでも究極なのに、おでんは伝統的で深い味わい。

大正3年創業の老舗です。おでん汁は90年間継ぎ足された濃厚な熟成感を表す逸品。
豚、鶏ベースに、醤油、みりん、昆布づゆの味付けがなされたその汁の味の基本は、甘酸っぱいものでありますが、ダシが生み出す旨みにより中盤から甘味が生まれます。この甘味が酸味を内包しつつ、そして油脂感でべったりしたものでないあたりが、このお店の方々の人柄同様の温かにして朗らかな味を生み出しているのでしょう。また素朴で家庭的な味わいに思える汁でありますが、実は艶やかな表情を余韻長く表現するものであり、丸みのある甘めの汁とは思えないキレの良さを、角を立たせずに感じさせてくれます。
だし粉は魚の癖が強く、苦味があります。カツオ節になれている他地域の方にはこのイワシの削り節の持つ野性的で荒削りな風味は興味深いものとなるでしょう。

口当たりの酸味は、その温かみで輪郭を丸くし、マッタリと軽い甘味がある汁で作られたおでんです。
汁の酸味が、甘味の後にすーっと浮かび、これが伸びることで、おがわの上品な味が表現されるのです。
このお店の魅力は、朝からしっかり煮込まれていることにあります。各人が自分の好みの煮込み具合の時間に訪問するようなお店です。とはいえ適当に煮込まれたその辺のおでんと一緒にしてはいけません。
練炭でじっくり煮込むのは静岡の昔ながら方法。
安易な方法で作られるおでんとは格の違いが味にも染み込んでいるのです。
私としてはコンニャクや白滝などの味の染み込みに時間がかかる具材こそ、この店で食べるべきものと思っています。
汁の持つ甘味がしっかりと染み込んだこれら具材は、家庭的でありながらも迫力のある逸品。
是非ともお試しいただきたいものであります。
惜しむらくはこのお店の黒はんぺんは、素材がやや淡白でもあるのですが、その渋い旨みが汁の甘味とどうもあわないような気がします。観光客にとっては静岡おでんの具材といえば黒はんぺんでありますから、ここが少し残念でありますね。店構えが静岡度MAXなだけに大推薦したいお店であるのですが・・・。

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水野菓子店
1本60〜70円
静岡市葵区本通2-2-17
054-253-3260
8:30〜17:00
定休日 不定休
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22000149/
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味噌で食べるしぞーかおでんは絶対ここで!
味の店 乃だや


「接客の安心感もあり、郷土料理の温かさ、そして力強さを感じられるお店です。関東風と名古屋に少し影響を受けた(?)味噌系静岡おでんという2種類のおでんが食べられるというのは、関西方面の方には特にお勧めできるもの。大人数にも対応してくれるという意味でも、貴重な美味しいしぞーかおでんのお店です!」



汁の甘さ ☆☆☆☆(ただし味噌をかけるからあまり関係ない)
汁の酸味 ☆☆★(ただし味噌をかけるからあまり関係ない)
汁の濃さ ☆☆☆☆★(ただし味噌をかけるからあまり関係ない)
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 85.5%
プチッとメモ 居酒屋系のお店。関東おでんとしぞーか味噌おでんの二刀流。接客の丁寧さも好感が持てるもの。味噌で楽しむしぞーかおでんが食べたければ絶対ここ!

乃だやです。
こちらのおでんはしぞーかおでん。それも独特に味噌おでんのスタイルのお店です。さらには関東風のおでんも用意されており、この食べ比べも魅力的であります。
関東風は、いわゆるおでんの味わい。
コンビニなんかで食べられるあの手の味。
ほんのり甘く、醤油の味わいがうっすらも前向きで心地よく、ここに塩味が広がるのがここの風味の骨格。濃さをみせずに味に力強さを感じさせるものであります。冷めると元々濃いめの塩気が少々強く感じられ、うるさい味にはなるものの、出来立てほやほやのつけ汁としては旨みのベースを塩気が支えます。標準的な満足度は十二分に得られるものでありますね。そして後味でじわーっと広がる旨みと塩気が何とも心地の良く、しぞーかおでんを食べに来ても、やっぱり注文してしまいます。余韻の中にしっかりと旨みを感じさせるこのスープとして少量すすり、時折舌を濡らしてあげる。するとその後に飲むお酒がまたおいしい・・・。シンプルなのにどこか「お店」らしさを感じさせてくれる、素敵なおでんです。日本酒にはしぞーかおでんよりもこちら関東風に軍配でしょうね。

しかし本命は味噌おでん。しぞーかおでんとなることは間違いありません。
こちらのおでんは例のしぞーかおでんらしい黒い汁で煮込まれますが、そこから取り出すとその汁をかけて食べさせようとはせず、味噌に具を刺し、そして抜き、味噌をトッピングした状態で頂くもの。そしてこの味噌おでんの味わいは、「つけてみそかけてみそ」などの名古屋の味噌系調味料が好きな人ならば間違いなく気に入るであろうものであります。
味噌の旨みがしっかりあって、甘辛さのなかに味噌のコクをどっしりとみせ、さらには明快な風味からなるシンプルながら構成力ある味わいが、カジュアルで親しみやすくもありながら、その完成度の高さで店の実力を示します。
風味の輪郭はシャープでありながらも、トータルでは尖った味にならない・・・。
これは美味しい!
しぞーかの味噌らしく、八兆味噌を使った名古屋系のおでんの排他的な力強さはないものの、多くの方には整った付き合いやすい味わいであることは間違いなく、癖の少なさゆえに旨みがストレートに、そしてダイレクトに伝わってくるという印象です。
これは素晴らしいなあ・・・。
そしてここに海苔と煮干し粉からなるダシ粉が加われば天下一品、ダシ粉の苦みがこれほどまでに味噌と調和するのかと驚きます。ダシ粉の必然性ついて疑問を持ったこともありましたが、このお店でダシ粉がするべきことをしっかりと学ぶことができました。この味を目指すから、ダシ粉を使用するんですね。説得させられる思いであります。
ちなみに無理を言って、この黒いだし汁を味あわせてもらうと、油脂が非常に強く、それも牛すじなどの肉系の油脂が強いコクをつくっていることに気付きます。だし汁の見た目からは濃い口醤油を思わされますが、実際には醤油系の味付けは弱めで、あくまでも肉系のうまみとコクからなる汁です。これが実に具材との絡みの強いものであり、やはり油脂の強さから来る粘りが具材の奥に奥にと入り込んでは、逃げないのでありましょう。
またこのお店でおでんを初めて食べた方ならば疑問に思うことがあるはずです。
それはおでん鍋に大根がないということ。大根は別の鍋に入っているということです。しぞーかおでんの黒いだし汁には大根が入っていないので、大根は事実上はしぞーかおでんではないのです。
なぜだと思います?
それは大根を入れると、この汁の味を大根が吸い過ぎてしまい、汁の味が壊れるからなのです。このだし汁へのこだわりが、この味わいを生み出すのですね。
そしてもう少し注意深い人ならば、おでん鍋から湯気が出ていないことに驚くことでしょう。この店のおでんはぬるいのか・・・、なんて心配は無用です。この店のおでんはぬるくはありません。なぜ湯気が出ないか・・・、それはおでん鍋に入っただし汁の油脂の強さであります。油脂がだし汁を覆い、閉じ込めてしまっているために湯気が出ないのです。それだけ強い油脂のだし汁ですから、汁で頂くのではなく、汁なし味噌つけというスタイルになったのでありましょう。元来汁をあまり使わないしぞーかおでんでありますが、このお店はそれを極めたものと思えますし、しぞーかおでんへの敬意と伝統をしっかり内包しながらオリジナリティーある魅力をもっているのです。
飲むための汁ではなく、煮込み味を染み込ますためのだし汁として、その性格を最大限に濃縮したものなのであります。
そんなこの店のだし汁を最も堪能できるのは、糸こんにゃく。
細く、そしてしっかりと固く詰まった食感、さらには風味を持ちながら、その内部に十二分にだし汁の油脂を内包し、淡白に終わりがちなコンニャク系のおでんの枠を超えた、逸品です。そして不思議とその肉質からは魚系の味が感じられるのでありますが、それが臭みではなく野性的な強みとなって旨みをを鍛え上げています。完璧ですね。
これだけではありません。もちろんしぞーかおでんだから魚系です。
一般的なコンニャクも、コンニャクらしい味とこれまた魚を思わす少し渋美味いコクが感じられ、そこに加わる固めの食感が、味噌の強い味わいに負けづに、素晴らしい味を生み出します。
御当地の代表格、黒はんぺんは魚のうまみ、肉肉しさともに平均レベルを超えており、絶対的とはいえないまでも、しぞーからしさを感じるには十分な内容。
そしてしらやき。しらやきもしぞーかなど、この周辺独特の練り製品ですが、しろはんぺんよりも肉がしっかりとしていながら、それに反して口どけ感すらあるようなとろける魚肉の味わい・・・。とろけるような柔らかな魚の旨みが、はんぺんのような淡白ぼってりなものとは全く別の食材として存在しています。
さらには忘れちゃいけない牛すじ。しぞーかおでんの具といえば、黒はんぺんと並んで勧められるメニューでしょう、歯ごたえがしっかりあるものも用意されているのがこのお店の特徴。しかし他店のだらっとした肉よりも、よっぽど旨みがしみ込んでいて、肉とだし汁の味わいが深く濃密で、酒のつまみとしては万能にして絶対的な存在感を示します。油脂のただれたような牛すじを食べて牛すじ嫌いになったという方は、是非この店でリベンジしてください。そして牛すじが美味しければ豚も試してほしい。ガツは豚の胃袋です。味は柔らかなホテイのやきとり缶詰みたいな感じで(お店の方、気を悪くしないでね)、味噌の甘味が加わることで、とろける感がぐっと増し、その味わいがジュンジュンと口の中に広がるのです。
それにしてもこれだけ美味しいのも味噌の旨みがあるからなおさらというもの。
大根もコンニャクもタマゴも標準よりちょっと上クラスの素材でありながら、味噌と食べると高品質の材料に思えるんです。

間違いありません。
コクと旨みの濃縮された味わい深いしぞーかおでんを求めるのなら、この店に来るべし!

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味の店 乃だや (のだや)
黒はんぺん 120円
牛すじ 200円
味噌かけ大根 350円
お料理コース 3500円〜
飲み放題コース 5000円〜
TEL 054-254-2919
住所 静岡県静岡市葵区七間町16-10
営業時間 [月〜土]17:00〜23:00(L.O) [日・祝]17:00〜22:30(L.O)
夜10時以降入店可、日曜営業
定休日 水曜日
http://www.ac.auone-net.jp/~nodaya/
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人気No.1 予約が一杯でなかなか食べられないお店
三河屋


「昭和23年に屋台から始まった老舗であり、恐らくは静岡おでんを食べられるお店の中でも一番人気の居酒屋系であります。予約無しではいるのはなかなか難しいかもしれませんが、有名店であり、是非とも訪問したいところ。特に魚系の練り製品のバラエティーの豊富さと、それらと汁の相性のよさ、そして安定した味わいは高く評価できます」



汁の甘さ ☆☆★
汁の酸味 ☆☆☆☆★
汁の濃さ ☆☆☆☆★
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 85.0%
プチッとメモ 居酒屋系の最高峰。ビールにあう旨みの強いおでん汁で頂く魚系練り製品が絶品。

その汁の味は、コクがしっかりとあり、辛味も感じられます。またダシの味もしっかりと感じられるものの、その味わいは比較的シャープであり、わかりやすい味付けとなっています。
口当たりに甘味が感じられ、その後に酸味が浮かぶような展開で、食べるものをワクワクとさせると同時に、ビールへの欲求を強烈に誘う味でもあります。
具材が煮詰められて滲み出たようなダシの味は、強い個性を織り成します。
口に残る甘酸っぱい味わいは、辛味を内包しながら、トロッとして舌先を転がり、これがしつこいのではなく、むしろ心地よいのです。
和風ラーメンの名店のつけダレのような味を連想させるのも、その旨みがしっかりとし、そして複雑ながら熟成された風合いを醸し出しているからでありましょう。

しのだ巻き(写真白いもの)は白身魚のすり身を油揚げで巻いたもので、落ち着いた魚の味を楽しめるもの。魚の身の旨みが実に調った味わいを表現します。魚の骨ごと練りこんだ蒲鉾であるすじぼこは、一転味が見えやすいメニュー。具材の持つ甘味に汁の酸味が大変相性良く、この見事な味の絡みは絶対食べるべき逸品です。白焼きはタラなどの魚のすり身を素焼きしたもの。魚の旨みから滲み出る甘味がほっこり現れます。これも美味い! 黒はんぺんも魚の肉の旨みを凝縮した味わいながら落ち着きのあるしっとりした表現力はお見事。黒はんぺんの素材そのものはおがわに軍配をあげますが、汁の強さから生まれるボリューム感ある表現力はこのお店ならでは強みです。そのため白焼きのようなシンプルな具材では名店おがわ以上に旨みの濃縮度を発揮し、明快な美味しさを露にしてくれます。
しのだ巻き、すじぼこ、白焼きといった製品については、このお店は最高でありますし、これらの魚系具材を中心に食べ進めていけるだけの豊富なメニューも嬉しいところ。価格が居酒屋系故に120円前後と高めであることを除けば、大満足であります。

またこのお店の利点は、お客さんの来店時間が安定していること。
そのためその時間に照準を合わせて具材を煮込めるのです。
開店早々に満員御礼のお店ですから、時間によって味が違うと言われるようなお店になりにくいんですね。
初めて食べる人も、通いこんでいる人も、一番美味しいタイミングを逃さないのは観光客には嬉しいところであります。

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三河屋
牛スジおでん 1本150円
なるとおでん 1本120円
ちくわおでん 1本150円
白焼きおでん 1本100円
こんにゃくおでん 1本120円
すじぼこおでん 1本200円
厚揚げおでん 1本200円
はんぺんおでん 1本120円

営業時間 : 17:00〜22:00  .
定 休 日 : 日曜、第2・3月曜日
駐 車 場 : なし 
所 在 地 : 静岡県静岡市葵区常磐町 1−8−7 青葉横丁
電話番号 : 054−253−3836
http://www106.sakura.ne.jp/~mikawaya/
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屋台から始まる40年以上の歴史のお店。お母さんが本当に素敵な方なんです!
藤の家


「しらやきや昆布などの大ぶりさ、タマゴや大根の煮込み具合の大胆さが最高! おかあさんの優しさも素晴らしく、安らぎ度はMAXです。これが静岡における私の故郷!」



汁の甘さ ☆☆☆★
汁の酸味 ☆☆☆★
汁の濃さ ☆☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 84.8%

おでんは1本150円平均くらいでしょうか?
しかし大ぶりな具材が多く、けして高いものとは思えません。
特に昆布やしらやきのボリュームは抜群で、他のお店の倍以上かもしれません。
このお店、私はおかみさんの気さくで優しい振る舞いが大好きで、それがまた郷土料理の魅力にピタリと合致しています。そのような意味から、しぞーかおでんを供するお店の中でも最も好きなお店であるのですが、その味も実に個性的で郷土料理然としていて、さらに美味しいもの。

汁は甘さと酸味がバランスよく、両者がポンッと舌を打つようなはっきり明快、すっきりした味わいをみせてくれます。しぞーかおでんにありがちな風合いであるちょっとべったりした風合いは見られません。油脂には肉の旨みからかコクがあるにもかかわらず、その油脂のべた付きが見られないのです。強い甘味、強い酸味、強い油脂という表現は当てはまりませんが、それぞれの風味が逞しいんですね。
これはなかなか完成された味であります。
海ぼうずさんの汁にも通ずるしっかり整った味わいでありながら、どこか伝統の貫録を伴っているところがこのお店の良いところ。創業から40年以上の歴史はブーム便乗のお店とは格の違いをみせるものでしょう。
このお店で一番好きなのが・・・、うーん色々あるなあ(笑)。
でもしらやきですね。
味そのものが他店よりもずば抜けているわけではありませんが、あのもちもちした食感と魚の旨みは、このお店のボリューム感があってこそ生きるというもの。魚の練り物は大ぶりになるほどその淡白さや味の単調さが嫌味になるのですが、このお店の汁の美味しさからか、それらを全く感じさせません。もちろん黒はんぺんも美味しいのですが、それは少し標準的、ここはやはりしらやきを食べたいですね。牛すじもボリュームがあり、食感の強いところや油脂の粘性を楽しめるところありと魅力的。コンニャクのカットも機械的ではなく、糸こんだってそつのない美味しさ。さらにはしぞーかおでんで鬼門とされる(?)大根においても、このお店の美味しい汁がしっかりしみ込み、おでんの魅力をしっかり感じ取ることができます。大根はしぞーかおでんの甘味や油脂の強さに合わないケースも多いのですが、このお店の汁ではノープロブレム。実にマッチしてくれます。そして前日から煮込んだものも入っているため、黒々したものを選べば、その味染みは天神屋に次ぐレベル。タマゴにおいては最強かな? 白身が固く引き締まって、味が濃く、これは魚のつまみとしてちびちび食べるもがっつり食いつくも良しの名作でありましょう。
こちらのおでんは、もちろんダシ粉(青海苔と鰯の削り粉)のトッピングで頂けるのですが、味噌トッピングもできるのです。味噌は酢味噌から巣を抜いたような、色の薄いとろっとした味噌のだれであります。名古屋系の甘辛いものではなく、陰鬱な熟成感を強く残す味噌がかすかな酸味と甘みを感じさせるもの。味噌というと乃だやが有名ですが、乃だやが名古屋的(八兆味噌ではないけどね)な甘辛系であるのに対し、こちらは渋い熟成感を味噌だれに求めた様子。これは好きな人はすごく好きだけど、そうでない人もいるという意見の分かれやすい味ですが、好きな人だけへのサービスですから、この味は合格です。私はもちろん好きですけどね。

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藤の家
住所 静岡市葵区常磐町2-3-6 青葉おでん街
電話番号 054-251-0015
営業時間 16:30〜24:30
定休日 水曜日
静岡おでん100円〜
揚げたてフライ100円〜
http://www.ekiten.jp/shop_1214369/
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おふくろの味を楽しみたかったらここしかないでしょ!!
松芳堂


「美味しさ、そして静岡という土地の生活感、そしてリーズナブル! 郷土の美味しさを気張らずに楽しめる心に美味しい究極のB級グルメ・・・いやいやA級」



汁の甘さ ☆☆☆☆
汁の酸味 ☆☆☆★+
汁の濃さ ☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 84.6%
プチッとメモ 汁が素直に美味しいといえる

このお店、なぜに静岡おでんの有名店として名前が上がりにくいのか、私には全くもって不明です。
それだけ素晴らしいということです。

その味わいは、静岡らしさをギリギリ保ちながらも異文化度を排他的でない程度に抑え、極上の家庭料理的な親しみやすさとわかりやすさ、誰にでも愛されるべき味わいを表します。
何より甘さの質が最高なのです。
蜜のようにキメが詰まりながらも押しつけがましいものでなく、ほっこりふくらむ温かみを感じるものであります。
しかも繊細な味わい!
甘さの表現が静岡的でもあります。整った味わいのお店の多くが酸味系で味を組み立てているのに対して、甘味でこのような味を作り上げるところにセンスを感じます。
この汁をつくることのできる料理人なら、かつ丼や天丼つくっても絶対にうまいはずだよねと確信できるほどの内容です。
おでん汁とともに楽しむ、味噌もまた見事な味わい。
味噌の味付けは汁と性格が似たものであり、甘さを口当たりから明快に感じさせながらもすっきりしたもの。
この辺が、上手なんですよね〜。
悪戯にコントラストをもて遊ぶことなく、素直においしいと言える味わいをきちんと見据えてつくられた味であることに好感を持つのです。

欠点といえば、しぞーかおでんらしく濁ったも味の方が嬉しいなあという野暮な期待に応えてくれないところではありますが、そこは好み次第というところでしょう。

郷土感を求める意味では、このエリアだと藤の家さんについついという私ですが、汁や味噌の味そのものでは静岡市内でもトップクラスのお店です。
これは見逃せないお店です。

具材も美味しいもの。
特に練り物が、このお店の汁との相性をしっかり感じさせてくれます。
練り物のオーダーが少ない私も、このお店ではきっちり注文を怠りません。
特に魚の皮の苦みを感じさせるような、黒はんぺんなどの黒っぽい練り物では、汁の甘味が魚の苦みを引きたてつつも角を和らげ、その苦みを旨みに変換する役割を担っています。
しのだ巻きも揚げから滲む汁の旨みが堪らないものでありますし、この手の具のレパートリーが多いのもなるほど納得といったところ。
ちなみにこちらでは牛すじではなくもつを使用しています。
駅南の杉乃屋さんも、もつを使用していますが、そういえば似たキャラクターの両店です。もつという選択には、しっかりとした意味があるのでしょう。
しぞーかおでんというブームに乗るには牛すじが欠かせませんが、狙った味を優先した結果のもつなのであろうと思えます。

それにしても美味しいお店。
これはお薦めです。

ちなみに当方は、こちらのお店の粒あんを使った和菓子が好きです。
白大福は固めの餅皮が米のすっきり陰湿な表情をにじませつつ、中にごろっと豆の旨みと甘味しっかりの餡が心地よいもの。

おはぎ(春だったらぼたもち)は、米の陰湿さと乾いたハービーさの共存するフレーバーの特徴が明かにして、それを包みあげる粒あんが豆のコク、そしてコシを感じる甘味に、素朴さが明快で、丁寧さを感じさせつつの素朴さの表現に好感が持てるのです。人の手を介しすぎた技巧美で、親しみやすさに欠けるようなものではなく、あくまでも郷土の街道沿いの和菓子という印象。

お届けものとしてではなく、日常を楽しむ和菓子がここにはあります。
こしあんは、粒あんよりも酸味が感じられ陰湿な風合いがやや増します。
粒あんも美味しいのですが、是非こちらもお楽しみください。
大福もよもぎはこしあんですからね。

満足度的にはおはぎ83、大福82ってとこでしょうか。
こしあん系は79〜81って思っているのですがどうでしょうかね。
ちなみにこしあんでは、あん巻きのだんごがお気に入りです!

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松芳堂
住所 静岡県静岡市葵区駒形通1-1-19
TEL 054-251-2604
営業時間 10:30〜19:30
定休日 不定休
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22001924/dtlrvwlst/211935/
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静岡の郷土感を堪能したいという旅行者の皆さん、行くべきはこの店ですよ!
大やきいも


「昭和の香りに包まれて、大窯にたっぷり並べられた焼きいも、そして美しい照りを放つ大学いも、そして一本60円くらいのしぞーかおでん・・・。ここには郷土料理に期待するすべてが詰まっています。この店だけは外せません!」



汁の甘さ ☆☆
汁の酸味 ☆☆☆☆★
汁の濃さ ☆☆☆★
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 83.5%

こちらのお店は、焼きいもやおでんなどのおかずを店内で食べることができるお店です。
お惣菜系軽食堂といった感じは、意外と珍しいジャンルで、似たタイプとしては駅南のしなのやなどが代表的なのでしょうか。
しかし知名度は圧倒的にこのお店の方が上でしょう。
100年近い歴史と美味しいメニューが自慢です。
店名通り、紅あずま(9月下旬〜6月下旬頃、100g、 85円)や安納芋(11月末〜1月下旬頃、100g、120円)の焼きいもが有名ですが、まずはおでんの話から。

こちらのおでんの汁は酸味が強めで、静岡おでんの中では一般的なものとはいえないかもしれません。しかし酸味が強くとも尖らない味わいゆえに、郷土の温かみがあり、その点から親しみやすい静岡おでんの個性を強く感じてしまいます。
口当たりには甘さは少しあるも、醤油系の酸味が広がり、これが余韻まで残ります。
もちろん美味しい汁です。
魚や肉系のコクも感じられます。
特に魚系の具材の多さから、牛筋の出汁以上に魚の持つ独特の旨みが感じられます。
もちろん、それでいて魚の臭みをみせないところは、名店のお約束。
旨み染みいる味わいを確実に表現します。
当方としては甘さを感じやすい静岡おでんの汁に親しみを感じますが、これを好む人も多いでしょう。甘さが苦手という意見も多い静岡おでんですからね。

具材は概ね平均的なレベル。
高級食材で・・・、ということはありませんが、・・・なんといっても安いですからね。
静岡市という県庁所在地の常識を無視した低価格には、恐れ入るところです。
それでもしらやきや黒はんぺんも楽しめ、しのだ巻き(揚げで魚の練り物を巻いたもの)も食べられます。
タマゴは、やや汁の味の淡白さがタマゴのほっこり感を出しきれないようで、やや不満ですが、それ以外は好んで食べられるものばかりです。
特にしらたきはおすすめ。
醤油や味醂から生まれたきゅっと絞った味わいに、他の具材が溶け込み、この味わいを内包しながら、しらたき独特の淡白ながらコシのある性格を表しています。
意外にも特別に美味しいと思ったためしがほとんどない竹輪も、このお店では秀逸。
このお店のおでん汁によくあう味わいです。
静岡おでんの定番、牛筋は、脂身が露骨な場所があるなど、静岡おでんビギナーにはお薦めできませんがし、事実それほど良質には思いませんが、良く噛むと脂身が醤油ベースのおでん汁と実に良い絡みをみせ、噛めば噛むほど美味しい牛筋であることに気付きます。

最後に具と汁以外の話。
このお店でももちろん、静岡おでんらしくダシ粉があるのですが、ここでは辛子も忘れないですください。このお店の汁は辛子が非常にあうんですね。ダシ粉で苦みを出すのも良いのですが、辛みで酸味にキレを出すような食べ方が好きなんです。軽く辛子を溶かすようにして頂いてみてください。

とはいえこのお店で頼むべきは、実はおでんよりもやきいも!
いもを食べずに、なぜに大やきいもという感じです。

やきいもは本当においしいです。
歴史ある窯で蒸かされて、甘さがほっこりと浮かび上がっています。
粗塩の荒々しさが、焼きいもに郷土の迫力を加えます。
小細工なし、美味い焼きいもそのものの味わい。
これ以上に美味しく感じられる焼きいもって、ちょっと出会えそうにないという内容なのです。

まあやきいもの満足度をいえば86.5%とかの驚異的なものになりますわね。

そしていもといえば、大学いもも珠玉の逸品。
素朴な味わい、そしてロースト感が堪りません!
トッピングされた蜜の中のゴマが驚くほど香ばしく感じられます。
いもの旨みの表現力こそ、焼きいもには劣るものの、その華やかさはこのメニューに求められるであろうものではなく、むしろしっとりと内側に押し込めた旨みこそが魅力のはず。甘味を抑えた蜜の奥ゆかしさに、いものしっとりした風味が溢れているのです。
整った味わいは、伝統からしか生まれない作り手の迷いのなさによるところ。
これまた高い満足度の81%ってところでしょうか。

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大やきいも
住所 静岡県静岡市葵区東草深町5-12
TEL 054-245-8862
営業時間 9:00〜20:30
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22000150/
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美味しいしぞーかおでんの代表 知名度No.1
おがわ


「洗練された風味の粒子をも感じさせるすっきりした味わいの中に、歴史を感じる熟成感がみられる極上の汁が生み出す、上品な味わいと完成度の高さを誇る静岡おでん。美味しさにおいて、いつでも誰からも高い評価を得ているお店でもあります。お薦めは牛スジと黒はんぺん! 」



汁の甘さ ☆☆
汁の酸味 ☆☆☆☆ 
汁の濃さ ☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 83.0%
プチッとメモ 静岡おでんの代表的お店。ここに行かないと始まらないのです。

創業から50年以上もの間継ぎ足して使ってきたというおでんの汁は、洗練されながらも熟成感を感じる優れた味わいです。濁りのないその味からは、具材の旨みが素直に伝わってきます。

その汁は口当たりに酸味を覚えますが、汁の温かさで輪郭を丸くし、マッタリと軽い甘味を浮かばせます。
さらに汁の持つ酸味が、甘味の後にすーっと浮かび、これが伸びていきます。
こうしておがわの上品な味は表現されるのです。

静岡おでんは、ただ作るだけであれば誰にでもできるため、ブームに便乗した意味のないお店も多いのですが、
このお店は静岡おでんを代表するお店であり、常に人気と貫禄を保ってきました。

特に静岡おでんの具材としては、もっとも個性的で人気のある黒はんぺんは、このお店で食べられるものこそ最高であり、小銭程度の価格でこれだけの美味しい黒はんぺんを食べられるという事実に郷土料理の親しみやすい美味しさが感じられるというものです。
多くの黒はんぺんが、死んだ肉の塊のようなもので、味気ないけど魚の味はするよという程度の練り製品でありますが、こちらの黒はんぺんは肉が締まっていて、そこに魚の旨みが強く詰め込まれているのです。黒はんぺんとしては肉厚もあり、その味の肉肉しさを食感、味わい共に表現します。

ちなみに私のフェイバリッとアイテムでありますコンニャクですが、ダイエッターにとっては無制限に飲食ができる最高の逸材であり、その味が気になるところ。しかしおがわのコンニャクは、その汁の上品さから、味染みが弱く、やや淡白に終わってしまいます。一方では大根が時折最高の美味しさを発揮することも多く(部位や日によっても良い出会いとそうでもない出会いのときがあるのですが)、おがわでは大根と黒はんぺんは必ず頼むのが私のお約束なのであります。ちなみにお店としてはじゃがいもがお薦めの逸品で、これまた素材の味を十分生かしたものであります。静岡おでんの汁は大根よりもじゃがいもとの相性が良いとされ、お店の方がじゃがいもをお薦めする理由も理解できます。しかし静岡おでんの中で一番美味しい大根が食べられるお店がここであると思うのも事実。じゃがいもは他のお店でも美味しいものがみられますが、大根は(絶好調時の)おがわにかなうお店はないのです。

そしてこのお店最高の逸品が牛スジです。
このお店の牛スジは旨みが詰っています。
肉そのものが上等なんですね。この肉をこの価格で・・・と、唸らされること必至です。
黒はんぺんにしても、牛すじにしても、しっかりとした素材を使っているために汁に過剰な演出を施さないのがおがわ流です。これこそ静岡おでんを代表する最有名店の力でありましょう。

「静岡おでん=野暮ったくて甘い濃厚汁」と思われている方も多いんですが、老舗であり代表格のこのお店で食べていただければ、必ずしも田舎料理然とした個性を主張するようなものでもないということを理解してもらえると思います。

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おがわ
おでん各種 80円
糸こんにゃく・玉子・牛すじ・厚揚げ 各100円
〒420-0867 静岡市葵区馬場町38
電話 054-252-2548
FAX 054-252-2549
営業時間 10:00〜18:30
定休日 水曜日
http://www.at-s.com/bin/GURU/GURU0040.asp?yid=A985655011
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イートイン可能なお惣菜屋さんといえば、ずばりここ!
しなのや


「揚げ物やおにぎり、静岡おでんといったお惣菜を格安でイートイン、テイクアウトのできるお店です。これぞ郷土のお店という風合いでいながら、初めてのお客さんでもノープロブレム。静岡市のツインメッセで開かれるイベントのついでにと寄れるという立地条件も最高! 小銭握りしめて、絶対行くべし!」



汁の甘さ ☆☆★
汁の酸味 ☆☆☆
汁の濃さ ☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 82.8%

しぞーかで一番好きなお店、これがしなのやさん。
しなのやさんっていう店名はいつも記憶があいまいだけれど、それでもとってもすがすがしい気持ちになれるお惣菜やさんであります。
特に炭水化物抜きダイエットをしているお小遣いの少ない方には最適のお店で、おでんは1つ40円(50円のものも)、注文を受けてから揚げたてを提供してくれるフライも1つ50円(中にはもう少し高いものもあり)ということで、400円も払えばお腹一杯にグルメを満喫できるお店なのです。
こちらのしぞーかおでんは、しぞーからしく汁で頂くものではなく、おでん出汁で煮込まれたおでんをお皿に取り上げると、ダシ粉をまぶして頂くスタイル。汁をとるお玉のようなものはないのです。
それ故に汁の味のどうのこうのは、なかなかわかりにくく知る必要もないのですが、あえて説明するならば甘味と酸味がバランスよく、こってりしながらもうす味という、お店の郷土料理というよりは田舎の家庭料理的と言えるような風合いがあり、お店の雰囲気にマッチした味わいが心地よいものであります。
甘さも出過ぎず、油脂は感じられるもののくどさはありません。
すっきり透明感は示すものでもありませんが、気負いのない普段着の味わい。
フライやおむすびと一緒に食べるおでんとしては、露骨に主役を奪う味ではないことがむしろ好ましいという印象です。

お勧めの具はじゃがいも。
このお店はじゃがいもが美味しいんです。
フライでも一番人気(かな?)のコロッケがホクホクで、それを食べるためについついおでんでは遠慮しがちなじゃがいもですが、おでんにおいてもホクホク感が損なわれず、おでん出汁で表面に味わいを乗せたじゃがいもが、その甘みとふくよかさを風味の展開を伴いながら露わなものとします。
そして嬉しいのは、魚の練リもの系も充実していること。
黒はんぺんはもちろん、しらやきだってボリュームは少ないもののもっちりぷっちりもちもち食感が非常に嬉しいもので、ダシの油脂が味にコクを加えています。一見淡白な具材のようで、魚の旨みをしっかり詰め込みます。この手の具材であっても、おでん出汁との相性が素晴らしいのは、さすがは伝統ある地で長年作られたメニューといえましょう。
しらやきの他にもすずという、皮なども一緒に練りこんだもの(多分ね)がありますが、こちらはしらやきにくらべると渋みがあり、少し固い食感のものがあります。私はしらやきを好みますが、せっかくですから静岡の味を黒と白で楽しみたいところでしょう。

そして最初にも書きましたが、このお店ではフライも是非頼んでください。
毎日食べるためのフライです。
薄い衣で、ハリッと揚げられています。
少し塩気を感じさせながらも甘味とほっこり感、そしてじゃがいものしっかり詰まった肉肉しいコロッケはまさに絶品。これぞコロッケの王道ど真ん中の味わいです。もちろんその他のメニューも、衣の大ぶりさがない代わりに、味のすっきりした、親しみ深い魅力が詰まったものばかり。黒はんぺんやアジもフライで頂いたらどうでしょうか? 魚の臭みを感じずに、魚の旨みをしっかり表現。薄くてハリのある衣がスマートな味わいをみせてくれます。
それにしても安い!

この土地でこの値段。こりゃあ、参った!

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しなのや
住所 静岡県静岡市駿河区小黒3-7-13
TEL 054-282-3859
営業時間 [月〜土]11:00〜17:30
フライは11:00〜13:00、17:00〜17:30
定休日 日曜日・祝日
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22007641/
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真っ黒スープで、牛すじと黒はんぺんを・・・、だったらここだよ!
たこ八


「お店始めて50年。気のいいあのおばちゃんももう78歳。お店の方、皆さんがお元気でいつまでも御商売して頂きたいものです。」



汁の甘さ ☆☆☆☆★
汁の酸味 ☆☆★
汁の濃さ ☆☆☆☆☆+
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 82.7%
プチッとメモ とにかく汁の混沌とした風情がすごい。圧倒的迫力です。

おでん汁の黒さ、濁り加減はこのお店は最高レベル。
甘くこってりとしながら、どっちりした油脂の迫力。煮込み時間が短くても、具材には味が濃密に入り込むであろう性格は、静岡おでんではなく、しぞーかおでん、いやいやそれを超えた超しぞーかおでんです。
灰汁が浮いているかのような濁りすら感じる黒々した汁は、何とも言えない混沌とした味わいが、都会のレディー向けとは間違っても言えないものの、逆に迫りくる力強さで異文化度を明快に示します。
「しぞーかおでんって凄いなあ・・・」という感想を求めるのであれば、このお店で間違いありません。
甘さの中には具材が煮込まれる過程で溶け込んだ可能性のあるロースト感ある苦みがみられます。酸味は比較的少なめではあるものの、実はこのお店の味噌が軽く交わることで、むしろ最高峰の(アルコール感から生まれる)酸味感も楽しめます。

そんな味噌の話。
汁だけでなく、おでんにかける味噌も凄いものなんです。
甘辛く、驚くほどのアルコール感。お酒が相当な量が入っていることは、味覚音痴の方でも、高揚感と顔の紅葉具合で気付くというもの。ローストから苦みも感じられつつも、やはりそこは酒が生み出す陰湿な風合いが主導権を握り、排他的な要素を多分に含みながら旨みを強め、酒好き以外にはすすめないよという居酒屋然とした説得力ある味付けが痛快です。

超しぞーか的、超居酒屋的なんですね。

しぞーか系の具材も美味しいものばかり。
黒はんぺんもボリュームがありますし、しぞーかおでんとの相性が良いじゃがいもも、煮込まれておでん汁の味とのマリアージュを表現、糸コンは黒々と汁を多分に吸い込み、牛すじも部位様々。特にアキレス腱部分(わからない人はお店の人にアキレス腱はどこって聞けばいいですよ)の淡白で引き締まった部分も、このお店の濃厚な汁ならではの、噛めば噛むほど系の味わいに仕上がっています。
そしてしのだ巻き!
これがとても美味しい。
身が締まっていて、旨みは詰まり、揚げの味わいとすり身の味が大変によくあうんです。
このお店の汁あってこその相性なんでしょうけど、しのだ巻きの存在意義をこのお店で知りました。
大根は味染みも良くまあまあ。
大根としぞーかおでんは、実は相性が良いものではないので、このお店のような超しぞーか系のお店だったら、無理に食べなくてもいいかもしれません。

それにしても、この店はおでん汁と味噌につきます。
特に味噌の迫力!
車で来た人は、食べちゃだめだよ!

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たこ八
〒420-0034 静岡県静岡市葵区常磐町1丁目8-7 青葉横丁
TEL 054-281-2773
定休日 日曜日
営業時間 [平日]17:00 - 23:30 [土曜日]17:00 - 23:30 [日曜・祝日] -
(営業時間は目安)
http://gourmet.livedoor.com/restaurant/300448/
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黄金まんじゅうの名店がプロデュースする、しぞーかの気取らない日常系おでん
杉乃屋


「黄金まんじゅうの名店です。和菓子やおにぎりと一緒におでんをイートインできます。それにしても静岡駅から近いのに、おっそろしく安い!」



汁の甘さ ☆☆☆☆
汁の酸味 ☆☆★
汁の濃さ ☆☆☆+
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 82.6%
プチッとメモ 味噌がうまい

汁は甘味を十分に感じます。
酸味は少なめですね。
油脂がとろんと丸い表情をつくりだし、とても愛くるしい味の汁になっています。
淡白ではないのに、あたり口がソフトなんですね。

具材には、しぞーからしい個性が豊富というほどではありませんし、牛すじではなく、もつであったりもしますが、これはこれで美味しいもの。逆に牛すじでないから、汁に濁りがなく優しい味わいになっているのでしょう。
しらやきは出会ったことがありませんが、しのだ巻きはあります。
はんぺんやしのだ巻きを楽しむには、良い御店でしょう。
個人的には、ウインナーは入っていてほしくないですけど・・・。

ところでこのお店、味噌が美味しいんです。
ちょっと青葉おでん街の藤の家さんにも近い味わいで、甘味と酸味のバランスがよく、強めの味でありながら、コクの太さで尖ることのない味わいを生み出しています。

好みとしては、ランチも頂ける老舗中の老舗の有名店よりも上であります。
静岡おでんそのものを楽しむという狙いからすれば、少し評価が下がりますが、それでも美味しいことは間違いなし。和菓子屋さんゆえに、整った味わいに仕上げてしまうことが、しぞーか臭くなかったりするだけなんです。

とはいえ、このお店なら黄金まんじゅう、いわゆる今川焼き(もしくは大判焼き)を食べるのが基本でしょう。1個100円で食べられます。基本のつぶあん以外にも、かぼちゃ、クリーム、白あんといったものも揃っています。
手焼きらしく、大胆な皮の気泡が実に輝かしく、河内屋さんのどら焼きを思い起こさせます。それよりもさらに皮の密度と反発力を感じるようなものであり、表面のロースト香のほどよい渋みも実に迷いなし。甘味や玉子の風合いは強いものではありませんが、ほっこりした形状が温かい性格であり、その容姿から甘味や玉子感を覚えてしまいそうなほど。
しかし皮の個性よりも、やはりここはあんの個性。
焼きたてを頂けるお店です。
粒あんはほっかほっかゆえにとろとろに柔らかく、甘さは控えめで、粒の食感の中からにじむ豆のコクが素朴で心地よいもの。
出来立て時のとろとろ餡は、和菓子としては餡のキメの細かさを蜜の中に感じ、その口どけにおける劇的な瞬間を否定するものありますが、一方ではお汁粉などにも通じる体にナチュラルに染みこんでいくような味わいに。これは冷えて固くなる前に食べてこそ楽しめる個性です。おでん食べながら、黄金まんじゅうを注文して、食後のデザートとして熱々を頂くのが粋ってなもんです。

どら焼きの美味しいお店の多い静岡市において、どら焼きをライバルとしたとしても、これはもう河内屋と祖壁をなすくらいの満足度。
河内屋さんへの思い入れが強すぎる当方ではありますが、それに準ずる満足度を得ています。

中毒になる味!
それがここの黄金まんじゅう!

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杉乃屋
住所 静岡県静岡市駿河区南町4-35 杉山ビル1F
TEL 054-285-5424
営業時間 8:30〜20:00
定休日 日曜日(祝日は営業)
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22003546/l
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創造性No.1 しかも歴史ある有名店には恐縮ですが、このお店のおでんはめちゃめちゃ美味しい・・・。
海ぼうず


「第1回新作・創作静岡おでんCUPで優秀賞獲得のお店です。チェーン店的に完成された感じの居酒屋ゆえに、郷土料理の趣に欠けるという印象はありますが、その味はなかなかのもの・・・、というか良く出来すぎ!! そして何といっても静岡駅ビルに立地という便利性が嬉しいところですね」



汁の甘さ ☆☆★
汁の酸味 ☆☆☆
汁の濃さ ☆☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 82.5%
プチッとメモ 伝統的なお店でないのに一番美味しいとは、郷土料理マニアの私には許せないのですが、おでんを作るおばちゃんがいい人なので全面的に許容。認めざるを得ないお店。伝統度外視の創作メニューも美味くて、許せない!

このお店の汁は口当たりから酸味、塩気を感じますが、けして薄っぺらいものではなく、濃厚な旨みを感じさせるしっかりとした味わいが嬉しいところ。
汁の油脂が、酸味や塩気を少し閉じ込めながら、旨みを前に押し出す様子は、作り手にしてやられたという感じの構成美を見せてくれます。
またこの酸味が、和ガラシと絶妙なマリアージュを見せることも特筆すべき点で、ここは必ず意識して味わって欲しいと思えるところ。
強い甘さのある汁ではありませんが、密密とした旨みの質感は甘味にも匹敵するまろやかさを演出します。
印象としては、3大有名店のうちの2つ、おがわと三河屋の中間的な性格に思えます。
三河屋ほどに油脂を前面に出さず、少し押さえ気味にしながらもおがわよりも旨みは前向きです。
味も洗練されているので、非常に整った味わいとの印象を受けます。
おがわに比べると酸味は抑え目ながら、甘味は少し上。汁の濃さも少し上。
こりゃー、完成されすぎて面白くないのではないですか?
郷土料理って、やっぱり「ちょい無茶感」必要なんですけどねー!!
って思いはあるものの、これを低評価するような勇気はございません。
しかもおでん担当のおばちゃん、素敵です。好きです。

で、汁を飲みにおでんを注文するわけではないので、具材の話。
ところがやっぱり素晴らしい。
凄いな今時の居酒屋って感じです。

特に白滝のような淡白な具材が凄いんです。
ロースト感を出しながら、味をしっかりと染み込ませるあたりに、顧客ニーズをしっかりと意識できている今時の居酒屋の器用さをよい意味で感じさせます。
定番の大根だって、固さを残しながらも味染みもしっかりと感じさせる、バランスのよい計算されたもの。
白焼きもプリプリした食感と魚の旨みを感じさせ、これもまた溜まりません。
この3品については、私の知る限り最も美味しい静岡おでんを食べられるお店の一つと評価できるものであります。

静岡おでんのお約束であります牛すじこそ、名店おがわに少し及ばずな印象も、それに次ぐ美味しさを楽しませるものであり、味染みもさることながら、素材そのものも良いものとの印象です。
ダシ粉とのりのトッピングは、細かいもので、その具材や汁の味の持つよい性格を邪魔するものでもありません。

また創作メニューも充実したこのお店です。
注文したいのが次の3品。

1 プチトマト入り鳥つくね(220円)

肉が詰って、旨みもしっかりしたものです。ローストの苦味が心地よく、それが汁の酸味にも優れた相性をみせます。中に入ったトマトの酸味がつくねの旨みをマイルドに包み、少しイタリアンテイストを感じさせるにも関わらず、その酸味と汁の味わいが非常に良く合い、ぶつかり合うことがありません。汁が全体の風味を中間で上手にまとめています。
思いつきに見えて、計算された味・・・、これ考えた人、大したものです。

2 赤沢の生こんにゃく(120円)

こんにゃくは固さも適度で、肌も艶々した感じではなく、素朴で野性的な肉肉しさをみせるもの。手作りコンニャクの良さに満ち満ちています。
こんにゃくのグレードは、他店のおでん用こんにゃくのライバルになり得ない質の高さで、価格も納得できるところ。
文句のつけようがありません。
付属の味噌は甘く、コクがしっかりしており、柚子の清涼感が良いアクセントを出します。
これが絶品!
後味で辛味と柚子の風味が重なり合い、美しい個性を示します。
旨み明快にして、負の要素は皆無。
これは頼むしかないです!

3 生ワカメ(120円)

トッピングとしてはダシ粉に加えて唐辛子粉も使うのが海ぼうず流。
シャキシャキと肉肉しく、品質のよい生ワカメを、更にシャープに彩ります。
おでん汁に漬け込んだ生ワカメですが、おでん汁の味はそれほど見られません。
お願いすれば、汁を足してくれますが、私はこれが好みです。
唐辛子とダシ粉でピリッとした味を楽しめる、酒の肴に便利なメニューです。


さあ、どうだったでしょうか?
これを読んだら、このお店に行きたくなること間違い無しでしょ?

つまらないほど素晴らしい静岡おでんですよ(笑)!

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海ぼうずアスティ店
静岡おでん 各種 1串/100円〜
串焼 フレッシュ串焼 1串/160円〜
闇市ホルモン煮込(牛)/499円
黒はんべフライ 2枚/320円〜
定食(ごはん・みそ汁・つけもの)/300円
ランチ:11:00〜14:00
居酒屋:14:00〜23:00
日・祝日のみ14:00〜22:00
年中無休
〒422-8067 静岡市葵区黒金町(アスティ東館1F パルシェ食品館入口そば)
TEL・FAX.054-202-1500
http://www.shouetsu.co.jp/store/index.html
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利便性No.1 駅構内立地で、しかも気軽でスピーディー!
お好み郷土料理 三久


お好み郷土料理 三久

「静岡駅ビル内にあるため利便性が良く、また静岡おでんだけを注文するのにも抵抗が少ない便利なお店。比較的席にもつきやすく、少量の注文もしやすいお店。料理も直ぐに出てくるために、急いでいるときに少し食べたいなんて時にもとっても便利なファーストフード的静岡おでんです」



汁の甘さ ☆☆☆★
汁の酸味 ☆☆☆☆☆
汁の濃さ ☆☆☆☆☆
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆
静岡行ったら寄っちゃう度 80.0%
プチッとメモ 駅ビル内にお店を構える便利性最高峰のお店。時間がなくても、このお店にだけは寄るべきですよ!

汁は醤油の口当たりに、味醂がしっかり感じられ、塩気も多分に含むもの。
シャープな味わいの強い知るという印象です。
静岡おでんでは汁は基本的に盛られないのですが、このお店はそこそこ汁をつけてくれます。
静岡おでんに慣れない他地域の者には嬉しいところです。
具材のロースト感は汁に微かな苦味を含ませます。
ダシの旨みは強く感じられないものの、後味に一瞬味醂などの風味と共に甘味を感じさせます。
それでも全体的には、厚みを感じさせるタイプではなく、キリッとした質感を重視した汁であります。
この辺が、やや静岡おでんに期待するもったり感とは離れた感じがしないことはなく、少々残念ではあります。

油脂によらない味わいで、シャープな性格は他店に優るものであります。
強さでは1番の汁です。
濃さ故に甘味は強くありますが、バランスそのものでいえば強くはありません。
むしろ酸味が他店よりも強い個性で、印象を強く残します。

その汁の中で具材は煮込まれます。
大根はしっかり火が通り、柔らかく、中まで色づいていることににやりとさせられます。
こういう田舎の素朴さっていいですよね。
隣の海ぼうずさんの整いすぎた感じとは、よい具合に異なる性格を示しています。
コンニャクは熱によって身が引き締まったプリプリのもの。
大根は煮込まれながらも、質は上等という印象は強くはありませんね。
和ガラシなどの素材もいたって普通。
ダシ粉は苦味と塩気が強いですね。細かな糊が入っています。
でもこのヘルシー3店セットはなかなかダイエッターには便利なメニュー。
安価で直ぐに食べられて、ヘルシーとは、これはもう最高のランチであります。

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お好み郷土料理 三久
静岡おでん盛 880円など
静岡駅ビルアスティ内
電話番号 054-283-7502
FAX 054-283-7509
営業時間 平日 11:00〜15:00 17:00〜22:30
土日祝11:00〜21:30
http://www.asty-shizuoka.co.jp/shopguide/shopdetail.cgi?sid=AS050616123511&vmode=v01
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これぞしぞーかの日常食、地元定番のお惣菜屋。狙ったかのような田舎的味付けはNo.1
天神屋


「汁取り放題、味噌のトッピングも可能、甘口の味付けが明快でボリュームある味わいのおでんを満喫できます! お薦めは煮込まれた大根と黒はんぺん!」



汁の甘さ ☆☆☆☆☆
汁の酸味 ☆★
汁の濃さ ☆☆☆☆★
他人に味を勧めやすい度 ☆☆☆★
静岡行ったら寄っちゃう度 行かなくても寄れるので判定不能
プチッとメモ 静岡市街に行かなくても、静岡県中にお店がある巨大チェーン。便利です。

ところで上のお店の外観写真を見て欲しいのですが、このお店、正しい店名は「天神屋」、しかし店の大きな看板は「テンジンヤ」、入口付近には「てんじんや」・・・。どの名前で勝負したいのかが不明です。

そんなお店のおでんです。その汁の味に展開は見られませんが、心地よい味を残します。
流石は大手チェーン店らしい、研究された味であります。

また、こちらのおでんには汁にダシの牛肉が入っています。
メニューには牛スジがないのですが、この肉の切れ端をお皿に汁を取る際にちょびっと入れてしまうのが基本・・・、とはいいませんが、分別ある程度の量ならOK(だと思う)!

こういうB級グルメなアイテムは、静岡おでんの魅力をさらに高めてくれるものと信じています。
これだけで天神屋の評価はプラス2点という感じですね。

ちなみに静岡おでんは、汁を取らないのが基本であります。
しかし天神屋の場合には、汁を自由に取れるんです。
汁が命の静岡おでんとはいえ、店にとって命というなだけでなく、食べる側にとっても命の汁。
命がけで飲んでみたいのであります。

「あー、一度でいいからあの店の汁を、まとまった量で味わって!」などということが非常に多いのですね。

その汁を飲ませてとお願いできるようになりたいと、静岡おでんファンは常連となり、そして空いた時間を狙ってお願いするのであります。

というわけで、汁を自由に取ることができるこのお店はありがたいのでありますが、大事なのはその味です。
口当たりから丸みのある甘味が実に美味しく、酸味は甘味を殺さない程度に表れます。この酸味が加わったことで、全体の印象が随分と整ったように思えます。
コクも十分に感じられます。そのコクがボケてしまわないのは、レシピの上手さであり、風味をおりなす成分ごとのバランスが実に適当であり、一体化した味となっているからでしょう。

だし粉は削り節と海苔粉のミックスですが、こちらは店によってややバラツキがあるようで、「海苔が大目すぎないか?」なんてケースも見られます。しかし基本的には魚の臭みが良い意味で感じられるもの。静岡おでんらしさは味わえます。

最近では24時間営業の店舗が増えてきたために、20時くらいになると結構煮込まれた大根が転がっていて幸せ感じちゃったりすることもしばしば。実にありがたいお店です。25時くらいになってしまうと、これはもう玉子の黄身も白身もないくらいに煮込まれてしまっていたりもしますが、これもまたご愛嬌。黒い汁の静岡おでんの個性は、深夜の天神屋が最強と言って間違いありません(写真は上が24時ごろのおでん、下がお昼頃のおでん)。

このお店のお薦めは意外と黒はんぺん。静岡おでんの定番アイテムで、静岡市の本場のお店でないと良いものに出会えないように思われがちですが、どうしてなかなか美味しい黒はんぺんがこのお店で食べられます。名店おがわに比べれば、コストパフォーマンスも味も劣るものの、それでもそれに迫るくらいには美味しいです。コンニャクは選ばれた素材そのものが味染みの苦手な性格ゆえに表面が黒くローストされただけに終わっていることが勿体無い気はしますが、一方でしのだまきなどは素材の味が不明なほどに汁の味を吸込んでいることも。とはいえ、個人的にはこの辺も郷土料理の大らかさといって笑い飛ばせるところ。好意的にとらえられます。

さらには味噌のトッピングが自由にできるのも良いところ。
甘すぎず、しかし甘口。
旨みは甘味から生まれるものと言わんばかりの、親しみやすい濃厚さ。
味噌独特のコクを重視しながらも、甘さを酸味が余韻まで運びこむような展開が堪りません。

味噌をトッピングして汁の味を変えてしまうか、味噌を我慢して本来の汁を味わうか・・・。
ここは悩みどころですよ!

私はちゃっかり、2つ取り皿使っていますけどね(笑)。

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天神屋
http://www.tenjinya.com/

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NihonBishokuGakkai.
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